osic

kitkat

アマゾンで北園克衛の『カバンのなかの月夜』をようやく購入。もちろん、オリジナル版ではないので入手困難なわけではないが、なかなか店頭では見つけられなかった。これは写真集ではなくて、北園が考案したプラスティックポエムと呼ばれる造形詩集。引き算の美学を追及した果てに辿り着いた言葉(文字)の無い詩集だ。この一年の心境の変化の中で、自分が北園克衛に辿り着くのは時間の問題だった。ブックカバーのデザインなどをしていたので、構成主義風のグラフィックデザイナーという印象があったが、詩人として再認識できたのはなにか必然を感じる。出会うべくしてこのタイミング。なにかひとつの答えを見つけたような心境だ。心おきなく次に進めると言うか。

プラスティックポエムは北園にとっては晩年の仕事。もともとは言葉によるいわゆるちゃんとした詩も作っている。「モダニズムの極北」と言われただけあって、言葉による詩は抽象的で分り辛い部分があったのだが、ここでの造形詩はそうした表現をある意味わかりやすく感覚的に伝えてくれる。とても60過ぎの人間の作品とは思えない研ぎ澄まされた感覚と若々しさだ。1902-1978だから、リアルでダダやシュールや構成主義、バウハウスの洗礼を受けた世代。小津安二郎、清水宏とほぼ同年代だ。ちなみに“kitkat”とは海外で評価された北園克衛の向こうでの愛称です。
2008/11/17(月) 01:03:56 | 未分類 | Trackback(-) | Comment(-)
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